製品情報

田んぼダム器 | 水路

特徴及び適用範囲

特 徴
①日常水管理では営農水管理水深を保てる。
②降雨時には一定量以上の流入を貯留できる。
③田面水位が畦畔高さに近づいたときは排水量を増加させて畦畔越流のリスクを低減できる。
④降雨終了後は一定量の排水を継続して下流被害のリスクなく安全に田面水を排水できる。 

広く農家の協力を得て田んぼダムに地域一体で取り組んで充分な防災効果を発揮させるためには、水田排水用の器具が必要である。

(1)農家の視点

①営農リスク:営農管理水位の不安定化、湛水の継続による作物被害

②操作リスク:洪水時の操作作業負担、急速な排水による下流洪水

③維持管理リスク:維持管理の費用労力、常時良好状態を保つ精神的負担

④農業経営サイクル:田んぼダムに取り組まない水田畑作時の良好な田面排水機能

(2)防災効果の視点

①田んぼダムの取組み規模:導入と維持にかかる費用が安価で大量導入が可能

②稼働率:機械的故障やゴミ泥詰まりによる機能不全が発生しない

 

開発の背景

広く農家の協力を得て田んぼダムに地域一体で取り組んで充分な防災効果を発揮させるためには、下記の視点に配慮した水田排水用の器具が必要である。

(1)農家の視点

①営農リスク:営農管理水位の不安定化、湛水の継続による作物被害

②操作リスク:洪水時の操作作業負担、急速な排水による下流洪水

③維持管理リスク:維持管理の費用労力、常時良好状態を保つ精神的負担

④農業経営サイクル:田んぼダムに取り組まない水田畑作時の良好な田面排水機能

(2)防災効果の視点

①田んぼダムの取組み規模:導入と維持にかかる費用が安価で大量導入が可能

②稼働率:機械的故障やゴミ泥詰まりによる機能不全が発生しない

 

構 造


 鉛直管式排水器の頂部に、越流部による排水機能とフロートによる浮上機能を持たせた越流管を装着するとともに、底部には排水口を設けた器具である。この排水器は、常時は越流部が営農管理水深を維持し、豪雨時にはフロートにより越流部が浮上して水田の洪水貯留機能を発揮する。また、畑作時には底部の排水口が排水機能を発揮する

 

 

 

機 能

①常時:水路から水田に過剰給水があった場合には越流部からかけ流しで排水し、営農管理水位を維持する。

②小規模降雨時:小雨による田面流入は越流部から排水して、営農管理水位を維持する。また、田面水位上昇を防いで、豪雨時に必要な貯留容量の減少を防ぐ。

③豪雨時:豪雨により越流部水深が増加して田面水位が一定以上になると、浮力が増加して越流管が浮上を開始する。田面水位と連動して越流管が上昇するため、湛水深が増加しても越流水深は変化しないため、排水量は一定を保つ。田面水位が畦畔高さに近づいたらストッパ―により、越流管の上昇は止まる。さらに水位が上昇すると、浮力発生部も加えた全周で越流し排水量が増加することにより、さらなる水位上昇を抑制して畦畔越流のリスクを低減する。

④降雨終了後:一定量排水の継続により田面水位は時間をかけて低下する。

 

農家視点からの特長

①営農:越流部巾が最低部でも13㎝あり、スリット板式田んぼダム器に比べて広いため、水路からの過剰取水や少雨による田面流入があっても営農管理水位は安定的に保たれる。降雨後は概ね3日以内で営農管理水位に戻るため、水稲への被害はない。

②操作:機械昇降式田んぼダム器と比較した場合、降雨予測に基づいた貯留開始や田面水位の低下状況に対応した排水といった操作は必要ないため、農家の労力的・精神的負担はない。

特に、降雨後に田面貯留水を安全に排水するためには時間を要するため、機械操作で排水する場合は長時間の監視・操作が必要になる。仮に、機械故障や操作ミスで急速に排水されると下流で洪水被害を起こすリスクがあり、農家には大きな負担となる。

③維持管理:機械的メンテナンスがないため維持管理費は必要ない。突発的な降雨時でも作動するよう機械を保つという義務を農家に負わせない。

④農業経営:田面排水溝にも接続できる深い位置から排水することにより、経営収入の相当部分を占める畑作物の品質収量の向上を図ることができる。水田畑作は、経営サイクルの中に組み込まれており、田んぼダムとして利用しない裏作時や転作時には、十分な排水機能を発揮することは、農家にとって重要な要素である。

 

防災効果の視点からの特長

①田んぼダムの取組み規模:通常の鉛直管式排水器に、フロートをつけた塩ビ管を差し込むだけであり、機械可動式田んぼダム器に比べて極めて安価である。よって、大量に導入することが可能であり、大きな防災効果を発揮することが期待できる。

②稼働率:機械故障や操作ミスによる作動不良はないため、大量に設置してもほぼ全てが機能するので、想定した防災効果を発揮することが期待できる。排水桝の底部で直径約5cmの孔で田面排水を絞る有孔板式田んぼダム器と比較すると、ワラ屑や泥が詰まる可能性は小さい、また詰まっても水面部であり発見も除去も容易にできるため、異物による機能不全のリスクは小さい。

完成写真

田んぼダム器 | 水路

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